

| 不倫で妊娠してしまった場合 |
不倫は肉体関係を持つことをいう訳ですから、当然、妊娠をしてしまうこともあります。
そして、不倫相手の女性が妊娠した場合でも、不倫された奥様から不倫相手の女性に対して慰謝料請求をすることは可能です。
そもそも、妊娠したということから、不倫の事実も明かであり、証拠収集の手間も省けます。
ただし、その子供を産むか産まないかは、その妊娠した女性の自由意思であり、中絶することを強制することは出来ません。
一方、妊娠した不倫相手の女性からは、出産前でも子供の認知を請求することが可能性です。
これを「胎児認知」といいます。
仮に「今後、認知の請求をしないことを確約します」という念書を書いたとしても、そのような合意は公序良俗に反して無効であり、認知の請求はすることが出来ます。
また、当然ながら、認知さえしてもらえば、出産後には養育費の請求も可能です。
そして、将来的には父が他界したあとに、相続権も発生します。
なお、法律上、婚姻関係にある父母の間に生まれた子を「嫡出子」といい、不倫関係などの婚姻関係にない父母の間に生まれた子を「非嫡出子」といいます。
嫡出子と非嫡出子では、父が死亡した場合に受け取る法定相続分に違いがあり、非嫡出子は嫡出子の2分の1しか相続することが出来ません。
妊娠中絶が可能な期間は、母体保護法により、21週目まで(4ヶ月半位)と定められています。
ただし、初期中絶期間(11週目まで)を超えると、陣痛促進剤などを使用して実際に出産するのと同じようなかたちで流産させることになり、一定期間の入院も必要となりますし、母胎への後遺症などの危険性も高まります。
よって、妊娠をしてしまった場合には、出産するのか中絶するのかだけは、早めに答えを出しておく必要があります。
| 認知と養育費 |
両親は、自分の子供に対して、自己と同等の生活を保持する義務があります。
養育費とは、未成熟な子が独立自活出来るようになるまでに必要とされる費用のことをいいます。
実は、法律上の明文はないのですが、以下の3つがその根拠とされています。
| <1> | 監護に関する処分 | (民法第766条) |
| <2> | 直系血族間の扶養義務 | (民法第877条) |
| <3> | 扶養や監護に関する処分 | (家事審判法第9条) |
また、家事調停においても、以下の先例があります。
子が父又は母に対し要求できる生活保障の程度は、特段の事情のない限り、子が父母と同居している場合と同程度のものであり、別居中の父母の一方は各自その程度の生活を保障する義務を負う。
(東京高裁 昭和52年9月30日決定)
養育費の支払い義務は、放棄したり回避したりすることが出来ません。
これは、結婚している夫婦間であろうと婚姻外であろうと変わりません。
また、親権や面会交流の有無とも関係ありません。
ただ、婚姻外の場合、親子関係が明らかでない為、約束しても支払いが滞ったり、あとで親子関係を否認される危険があります。
そのため、認知をしてもらうことは、とても重要です。
また、認知をしていない子供には、父親の財産を相続する権利もありません。
なお、認知を求めないことや養育費を請求しないを条件とする合意書(契約書)を取り交わすケースを多く見受けますが、
認知請求権や養育費請求権は、本来、子供固有の権利であり、その両親の合意によって放棄することは許されず、法律上は無効となります。
よって、そのような契約をした場合でも、扶養権利者たる子供は、単独で扶養請求権を行使することが出来、養育費の支払い義務を免れることは出来ません。
(札幌高裁 昭和51年5月31日決定)
(大阪高裁 昭和54年6月18日決定)
| 認知請求の方法 |
認知の方法には、任意認知と強制認知の2種類の方法があります。
任意認知
任意認知とは、父親が任意に自分の子供として承認し、戸籍法の定めに従って、市区町村へ「認知届」を提出し、受理されることによって親子であるという効力が発生するものです。(民法第781条1項)
子供の父親から「私の子供で間違いありません。認知致します」などという書面をもらっても、認知の届出は出来ません。
「認知届」への署名捺印をもらう必要となります。
一般に、男性側は、お腹が大きくなり、出産、などという状態になると、逃げ腰になり、態度を変えるケースが多くあります。
妊娠した側としては、早めに認知をしてもらうのが一番理想です。
また、養育費の内容が決まれば、公正証書にしておいた方がいいでしょう。
強制認知
強制認知とは、父親が任意に認めない場合に、裁判を提起することによって強制的に認知をさせてしまう、という方法です。
不倫の関係から女性が妊娠した場合、その胎児の父に妻がいれば、その妻からその不倫相手の女性に対して慰謝料請求をすることが可能です。
しかし、通常、養育費を受領する20年〜22年間の総額が慰謝料よりも少ないことはありませんから、認知と養育費の請求は避けられないと思った方がいいです。
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